ゴーオンジャーはマスクオフてんこ盛り

 戦隊シリーズを長年見ているファンにとって、お楽しみシーンの一つに「マスクオフ」といわれるものがある。パワードスーツを装着したまま、マスクを外すして素顔をさらすのは、素性をさらしてはいけないヒーローの、いわば禁断の姿だ。それだけに希少価値のあるマスクオフが見られるのは(変身プロセスにおける演出効果などを除くと)、決定的なピンチに陥ったケースか、最終回のすべての戦いを終えた後などに限られていた(メタルシリーズでは頻繁に出てきたが)。
 ところが、きょうから始まった「炎神戦隊ゴーオンジャー」は、オープニングといい最初の戦闘シーンといいエンディングといい、そのマスクオフがバンバン出てくる。マスクオフの演出効果は、変身前の主人公たちと、実際にはスタントが演じている変身後のの姿が一体化するところにあり、変身後のヒーローのゴーグル越しの表情を少しでも強調しようという狙いが見て取れる。
 その、表情へのこだわりが、この最新作の随所に見られる。その一つが、ゴーオンジャーたちが搭乗する巨大マシン。マシンがしゃべるという演出はアバレンジャーなどでもあったが、これだけ個性的な顔が描かれているのは、マンガチックになりすぎるのを嫌っていたのか、これまであまりなかったと思う。
 そしてもう一つは敵の怪人の顔。まさにこれぞ怪人といわんばかりの、ちょっと憎めない形相は、かつてのウルトラQあたりに出てきた高山良策造型の怪獣たちを思い起こさせる。
 まだ第1回だけあって細かい設定などはよくわからないが(仮面ライダーキバなどは4話目にしていまだ訳がわからないが)、生き生きしたヒーローたちの表情に今後も期待したい。