ジャニオタ、悪夢の春

 私の職場は、歌舞伎座の正面に位置する東京メトロ銀座駅から南方へ歩いて1分弱、そのすぐ先には新橋演舞場がある。場所柄、平日休日を問わず午後3〜4時ごろになると芝居見物帰りのおばちゃんでごった返し、沿道にあるスターバックスコーヒーは客層の平均年齢はおそらく世界全店舗中最高レベルに達する。
 そんなお達者くらぶ天国ともいうべきこの界隈だが、今週に限ってはまったく違う様相を呈している。平均年齢は一気に60年は低下、妙にケバイ格好の、明らかに場違いと思える10代から20代の女性たちがスタバやらコンビニやらを占領しているのである。
 その原因は、新橋演舞場で行われている「滝沢演舞城」にある。つまり彼女たちはいわゆる「ジャニオタ」である。とはいえ、特に周囲に危害を加えるわけでもなく普段同様の平和な空間である、はずだった、22日の日が暮れるまでは。
 夕方6時半頃からか、消防車の音がやたらと鳴り響いているのが仕事場の外から聞こえてきた。すぐそばには昭和通りや晴海通りがあり、それだけでは何ら特別のことではない。だが、音はなかなか通り過ぎていかない。それどころかますます大きくなるばかり。その異様さに気になって背後の窓から外を眺めると、消防車が4,5台ほど、その場に赤色灯を付けたまま止まっている。少しすると、「新橋演舞場地下2階から出火」とのニュースが入ってきた。まさに目の前で起こっている事件である。ニュースを聞いた同じフロアにいた写真部のカメラマンがやってきてその場から写真を撮って即配信。まさに他社には絶対撮れないスクープショットが生まれた場に立ち会うこととなった。
 その事件の全容とスクープ写真がこれ

新橋演舞場でぼや=タレント滝沢さん公演中−花火引火、1600人避難・東京

 22日午後6時35分ごろ、東京都中央区銀座の新橋演舞場から「地下2階で出火した」と119番があった。道具類の一部が燃え、約30分後に消し止められた。タレント滝沢秀明さん(23)主演の時代劇ミュージカル「滝沢演舞城」の公演中で、観客と出演者、スタッフ計約1600人が避難。38人がのどの痛みなどを訴え、うち5人が病院で手当てを受けた。
 警視庁築地署の調べなどによると、公演は1階の舞台で午後6時に始まり、ほぼ満席の状態だった。舞台上で花火を使った際、火花がせりから落ち、地下2階の道具類に燃え移ったとみられる。 

 この一件であしたの公演は中止。その先も未定だそうだ。タッキーもファンの皆さんも、お見舞い申し上げます。