YOU TUBEの脅威

 「スプーの絵描き歌」
 「ウルトラセブン」幻の第12話
 「サンダーマスク」のオープニング
 忌野清志郎が「夜のヒットスタジオ」で歌った「偽善者」
 愛国戦隊大日本のオープニング
 上に挙げたのはすべて映像共有サイトYOU TUBEにアップされているビデオファイルである。
 「スプーの絵描き歌」はちょっと別だが、ほかの4つの映像は、レンタルビデオ屋に行っても絶対おいていない、CSを含めテレビではでもまず見ることは不可能といわれているものである(愛国戦隊はたまたま先日CSで放送したらしいが)。それが今や、このサイトに行ってちょっと検索すれば、誰もが手軽に、いつでも無料で見られるのだ。これらの超級のお宝映像に限らず、ちょっとなつかし目のものからごく最近のものまでアニメや特撮の映像が、YOU TUBEにはゴロゴロしている。アップできる映像は10分以内という制限があるため(少し前まではその制限さえなかった)、オープニングやエンディング、歌番組での1曲分だけといった短いものがほとんどだが、例えば全編25分のテレビ番組も3分割してアップしているケースも多々あり(ウルトラセブン12話もその方式)、基本的にはほぼ版権無法地帯に近い。何ともすさまじい時代になったものだとつくづく感じる。
 最初に挙げた「スプーの絵描き歌」は、もはやネット上で知らない人がいないほど、わずか1週間で瞬く間に広まったもので、あえて細かい説明は不要だろう。
 何気なく放送されているテレビ番組で、何か尋常でない場面が映し出されると、それは瞬く間にネット上で公開され、数日後にはネット上におけるスタンダードにまでなってしまう。これもYOU TUBEがもたらした革命といえよう。
 当然、こうした現象に版権を持っている業者は遅かれ、法的手段を構えることになるわけだが、業者も司法機関も果たしてこの爆発的スピードで広がる現象について行けるだろうか。