「きっぷ」が特殊なものになった日

 きょう3月18日は、首都圏の鉄道を語る上で歴史的な日となることは間違いあるまい。ついにICカードシステム「PASMO」の運用が始まった。
 すでにJRのSuicaは定着しつつあるが、例えば常磐線で松戸からSuicaを使って各駅停車に乗って地下鉄千代田線内の大手町で降りる場合、面倒な精算を余儀なくされていた。これが、きょうからはPASMOでもSuicaでも、1枚の切符と同じように改札をそのまま通って出られることになる。つまり首都圏内(流山電鉄を除く)ならカード1枚持っていれば、チャージ以外で券売機に並ぶ必要は全くなくなるのである。
 切符を買う、という行為が特殊なことになるひも遠くないのだろう。それは、いまや公衆電話に並ぶ人がいなくなったのと同じ状態である。
 で、新しい時流に乗ろうと、定期券をPASMOに切り替えようと最寄りの東武伊勢崎線五反野駅にいってみたのだが、定期券売り場には長蛇の列が。この駅にこんな長い列ができたのを見たのは、7年使っていて初めてである。何とか待つこと10数分、デポジットの500円を払って切り替え完了。
 早速使ってみようと改札にいってみると、向かいから降りてくるかなりの客がICカードを使っていることに気づいた。きょう始まったばかりというのに、この浸透力には目を見張った。
 さらに、電車に乗って北千住へ。ジャマになったSuica(そのままPASMOと一緒に定期入れに入れていると誤作動を起こすらしいので)を払い戻そうとみどりの窓口に行こうと思ったのだが、ここもものすごい行列。五反野の3倍はあった。こちらも事情は同じようだ。とりあえず払い戻すのは後日にすることにしたが、それにしてもICカード化の波はものすごい勢いで我々の生活の中に及んでいることを実感した次第である。