NHK技研公開

 2年ぶりに、世田谷・砧にあるNHK技術研究所の技研公開を見学してきた。砧というとウルトラマン生誕の地、円谷プロ東宝の撮影所がすぐ近くにあるわけで、それを意識しただけでオタクの血が騒ぐのだが、とりあえずそれは置いておく。
 2年前に来たときは、ちょうど愛知万博の開催中で、万博で公開されたスーパーハイビジョンの縮小版を見ることができた。今回もこれが目玉だが、それに加え、スーパーハイビジョン実用化に向けての周辺技術の公開がいくつか見られた。その一つが、ブルーレイ・ディスクの後継技術というべき「超薄型ディスク」(写真)。アルミ箔のようなぺらぺらのディスクにブルーレイの10倍近い記録容量を実現するというもの。ディスクを薄くすることにより、複数のディスクをまとめて収納することができる利点がある一方で、薄っぺらなディスクをいかに安定して回転させるかが難しい点だそうで、実用化には5年くらいはかかりそう。
 そんな、いつ身近に現れてくるかわからないような展示がある一方で、法整備さえ済めば来年にも実現しそうなのが、PCを使ってのオンディマンド放送のデモンストレーション(写真)。これまでは愛宕山のNHK博物館や川口のNHKアーカイブスへ行かないと見られなかった貴重な番組群を、家にいながらにして好きなだけ見られるという、夢にまで見たサービスが、いよいよ始まるのだ。さらにありがたいのが、本放送を見逃した番組を、無料でストリーミングで見られるというサービス。これが実際に始まれば、テレビ・ライフスタイルががらっと変わりそうな気がする。ハイビジョン番組の録画が非常にやりにくくなっている現状で、放送権利者側がそうした制約をカバーする位のことはしてくれてしかるべきで、民放にもこうした動きが広がって欲しいものである。