実況の金メダリスト・刈屋アナウンサー

 きょうはもう何もいうことはあるまい。荒川静香の金メダルは見事いうほかない。先に指摘したとおり、やはりヒロインは強かった。朝8時まで起きていてよかった。

 で、何に感心したって、荒川選手の演技以上に感心したのはNHK刈屋富士雄アナウンサーの神業ともいえる実況である。2年前のアテネ五輪で、「伸身の月面が描く放物線は、栄光への架け橋だー」という名セリフを残したことで一躍有名になったあの人だ。長野五輪からNHK杯フィギュアなどを通して長年彼女を見つめてきた刈屋アナから聞かれた「これまで9年間見てきましたが、これほどすばらしい荒川選手の演技を見たことがありません」という言葉には、最高の説得力と、アナウンサーとしての充実感が満ちあふれていた。
 そして、荒川選手の金メダル獲得が決まったあとに語った言葉。

「よく『オリンピックを楽しみたい』という言葉を口にする選手がいるんですけれども、最高に仕上げて来た人がはじめて楽しめるんですね」

 圧巻である。解説者(佐藤有香の解説も決して悪くないが)の存在を忘れてしまうほどの、プロフェッショナルの実況を聞いた。
 煮え切らない日々が続いてきたトリノ五輪だったが、一つの実況にすべてが報われた思いだ。

おまけ、イナ・バウアー

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≡≡≡≡し'⌒∪
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