戦隊の原点はカレーにあり

 轟轟戦隊ボウケンジャー、Task4はボウケンレッド・明石暁(たこ焼きとちゃうで)の過去にまつわる話。頼れるリーダー・暁にはかつて、ミッション中に仲間を失ったというつらい過去があった。そんな悪夢を引きずりながら、新たなミッションに出動する暁らボウケンジャー。しかし、敵との戦いのさなか、敵の使うプレシャス、異常気象発生装置が暴走し、レッド以外の4人がマシンごとなだれの中に生き埋めになってしまう。仲間を失う悪夢を繰り返すまいと、暁は体に負担のかかる新マシン・ゴーゴードリルで再び出動し、見事に4人を救出、プレシャスを破壊してミッションを完了する。
 と、30分の物語を一気に1パラでまとめてしまったが、大事なポイントがいくつもあった。まず、悪夢にうなされながら暁が口走った「キョウコ」という失った仲間の名前に、微妙な反応を示すサブチーフの西堀さくら(ボウケンピンク)。着ていた上着を暁の上に掛け、基地の外へ出て行く彼女の気持ちはサブとしての気遣いか、それとも・・・。
 雪崩で埋もれたあと、レッドを信じろと呼びかけたのも彼女。それもリーダーへの信頼感+「?」・・・?それにしても、しりとりで「コルト45」って。
 一方、暁が以前のミッションで失ったというその仲間「マサキ」と「キョウコ」。果たして出番は今回だけか。ネガティブ・シンジケートの一員となって暁の前に再びとか(それじゃジェットマン)、今後の布石になりそうな予感。
 そして、ゴーゴードリルの出動場面。地中に潜るゴーゴー・ビークルということだからか、地下鉄の線路(銀座線?)を通って現場に向かう。かつて、試合中の後楽園球場がせり上がって中から母艦が出てくる戦隊があったが、これくらい飛び抜けた演出がないと特撮はおもしろくない。
 さらに、危険なプレシャスを排除するため、隊員たちが乗るビークルもろとも自爆させよと非常な指令を下すサージェス財団の「ミスター・ボイス」。声の主を演じるのはベテラン声優田中信夫。「コンバット!」(現在NHKBS2で放映中)のサンダース軍曹や水曜スペシャル川口浩探検隊のナレーションでよく知られているが、「秘密戦隊ゴレンジャー」の初期のナレーションがこの人であったことを覚えている方は意外と少ないのではなかろうか。

 先週予告したとおり、エンディングコーナーで歴代のスーパー戦隊を紹介するコーナーが今週から開始。まずは初代・秘密戦隊ゴレンジャーが登場。
 そういえばこの頃のドラマは1年以上続くのが当たり前という時代だった。太陽にほえろしかり、Gメン75しかり、仮面ライダーもまたしかり。例に漏れずゴレンジャーも約2年、話数は84に上った。この時代の作品が今でもわれわれの記憶に色濃く残っているのは、長々とやっていたことによるところが多いのではないだろうか。
 ボウケンジャーのメンバーが先輩戦隊を紹介しながら、各番組の特徴を小ネタで表現していく趣向のようで、今回はボウケンイエロー・菜月がカレーライスを食べていた。やっぱり黄色はカレーだね。そういえば、イエローの変身ポーズにはキレンジャーのオマージュが含まれているそうだ。