キャンディーズは色あせない

 きのう7月17日は何の日? 海の日、なんていうのは最近できたばかりだし毎年変わるので不正解。正解は今から29年前の1977年、かのキャンディーズ(南海じゃないぞ)が日比谷野外音楽堂で「普通の女の子に戻りたい!」と叫んだ日である。
 その、ある意味記念の日にあわせてNHKがまたやってくれた。その番組は「わが愛しのキャンディーズ」。もしかしてNHKのスタッフの中に当時のコンサートを見ていた人がいたのではないか。まあそれはともかく、デビュー曲の「あなたに夢中」から最後の「微笑みがえし」まで、キャンディーズの代表曲を秘蔵映像を交えながら流していくという内容で、当時小学校高学年だった自分にとってはまさに神のごとき構成だった。
 3人がデビューする前の、スクールメイツの一員として紅白歌合戦の舞台で踊っているまさに一瞬の姿や、「みごろたべごろ笑いごろ」(電線音頭をはやらせた伝説のバラエティー番組)での懐かしすぎるコントのシーン(イッチョガミチョンチョンとか)など、まさかNHKで見られる日が来るとは思いもよらなかった。

 で、一通り番組を見ていて改めて感じたのは、キャンディーズの卓越した歌唱力だ。小学生だった当時はそれほど感じなかったが、「ハートのエースが出てこない」や「哀愁のシンフォニー」、「アン・ドゥ・トロワ」など比較的難しい曲をさりげなく歌い上げる3人の姿は、単なるアイドルではない“アーティスト”キャンディーズとしての偉大さを感じる。今のトップアイドルを引き合いに出すような野暮をいうつもりはないが、30年経ってもまったく色あせない、偉大な存在のファンでいられたことに誇りを感じさせた番組だった。