怪獣使い 予習と復讐

 きょう11日の「ウルトラマンメビウス」を見る前に、触れておかねばならないことがある。いうまでもない「怪獣使いと少年」についてである。
 「帰ってきたウルトラマン」第33話、「怪獣使いと少年」。ほかのウルトラシリーズに比べて地味な印象がある同番組にあって、最大の問題作として今も語り継がれているエピソードだ。この話の主題はずばり「差別」。詳細は下記の動画にて確認していただければと思うが、これはもはや子供番組でもヒーロー番組でもない。
 宇宙人に守れているがばかりに虐待(いじめなんてレベルではない)を受ける少年。ただ宇宙人というだけの理由で一般市民から袋だたきにされ、あげく警官の発砲により命を落とすメイツ星人。その悲劇に怒り狂う怪獣ムルチの前に立つMAT隊員・郷秀樹(ウルトラマン)に、早く怪獣を倒せとせがむ自己中心な一般市民ら。怪獣が倒された後、少年が宇宙人を埋葬するところでドラマは終わる。



 今の放送倫理観ではとても考えられない内容だが、この続編「怪獣使いの遺産」をまさにきょう、放送するのである。果たしてこの衝撃的内容を知っている我々を、どこまでうなずかせることができるのか、期待と不安が同居する。