インスタントラーメンは永遠

米紙、「即席めん」の故安藤百福さんをたたえる社説―1月10日11時19分配信 読売新聞

 【ニューヨーク=白川義和】9日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、即席めんを発明した日清食品の創業者で5日に死去した安藤百福さんをたたえる署名入り社説を掲載した。
 「ミスター・ヌードル」と題した社説は、「感謝」の文字を囲んだ月けい冠のイラスト付きで業績を称賛。「ホンダのシビックソニーウォークマン、(サンリオの)ハローキティ」のようなチームによる開発と異なり、安藤さんは独力で「労働者階級のための安くて、きちんとした食べ物」を追求したとした。
 「魚を取ることを教えよ、その人を一生食わせられる。即席めんを与えよ、何も教えなくてすむ」。そうつづった社説は、即席めんは安藤さんに「人類の進歩の殿堂における永久の座をもたらした」と総括した。

 日本最大の発明品を生み出したこの人に、政府がなぜ国民栄誉賞を上げないのか不思議で仕方がない。
 上記の記事ではホンダ、ソニーと並び称されている安藤翁だが、他の2立つと決定的に違うことを忘れてはならない。それは、自動車や家電品という外国生まれの発明品の発展物であるシビックウォークマンと違い、インスタントラーメンはジャパン・オリジナルである点が上げられよう。中華麺の源流はいうまでもなく中国だが、麺を乾燥させて保存性をよくし、お湯をかけただけでいつでも食べられるという発想は、翁の発想なくしては実現しなかった。そしてその偉大な発想が、昭和30年代半ば以降の日本の、いや世界の食文化を支えてきたのである。
 かつて、世にインスタントラーメンが乱立し始めた頃、世の教育ママといわれる輩は「インスタントラーメンは体によくない」などとしてラーメン悪玉論を展開した(そしてその思想は未だ脈々と生き続けている)。だが、おそらく誰よりインスタントラーメンを口にしたであろう当の発明者の安藤翁が96歳で天寿を全うした事実が、そうした考え方に何ら信憑性がないことを裏付けているのである。