勝負はまだ先だよ

次世代DVD、ブルーレイ陣営が優勢=ソニー、松下に軍配?−ネット調査
(時事通信社 - 08月28日 19:01)

 購入したい次世代DVDレコーダーはブルーレイ−。民間調査会社のブランド総合研究所(東京)が28日に公表した次世代DVDに関する調査で、ブルーレイ陣営のソニー松下電器産業などのレコーダーが人気を集めている実態が明らかになった。ライバルであるHD DVD規格の東芝を大きく引き離しており、ブランド総研は「結果から判断する限り、ブルーレイが主要規格になりそうだ」としている。

 調査結果によると、回答者の53.1%が次世代レコーダーに対して関心や購入意欲を示した。これらの回答者に「購入したいのはどこのメーカーか」と質問(複数回答可)したところ、ブルーレイ陣営のソニーが53.1%、松下が52.9%、シャープが27.9%などとなる一方、HD DVD陣営の東芝は24.8%にとどまり、ブルーレイ陣営が圧勝した。 


 まず、この記事にだまされてはいけない。
 「「購入したいのはどこのメーカーか」と質問(複数回答可)したところ」というくだり。HD DVDレコーダーを出しているメーカーは東芝だけである(ゲーム関連機器という形ではマイクロソフトがプレーヤーを出しているが)。対してブルーレイレコーダーは、ソニー、松下、パイオニア、シャープなど複数のメーカーが出している。「どのメーカー」と聞いているわけだから、東芝は圧倒的に不利であるのはあたりまえ。どちらの規格がいいとか悪いとかいう質問では実はない。
 私自身は東芝RDユーザーであり、東芝がんばれ、片岡さん負けるな!といいたいのだが、性能とか利便性とは別の部分で、こういう勝負は得てして決まってしまうのである。
 ベータ対VHSの時も、最終的な決め手となったのはソニーと松下の(80年代前半当時の)販売網の差といわれている。結局は数の論理が勝ってしまうのかもしれない。
 ただ、いきさつはどうあれ、「トランスフォーマー」に代表されるスピルバーグ作品がすべてHD DVDしかでない状況が発生した場合(どうやらその可能性が高い)、消費者はどう動くのか。また、日本のソフトハウスはまだ様子見状態だが、例えばもし宮崎駿作品がすべてHD DVDだけでリリースされるようなことにでもなれば、違った流れが生まれる可能性はある。

 どちらの規格もいらないという消費者の声はけっこう聞くが、薄型テレビが普通に売られているなかで、ハイビジョン放送を見る機会が増えれば、そう、あと2年もすれば、ハイビジョンで見た番組が画質の劣るDVDでしか買えないことに不満を覚えるユーザーが相当増えるのではなかろうか。
 その時こそ、両陣営にとっての真の勝負だろう。