インドの山奥で〜
昨日、CSで「レインボーマン」を見た。しかも第1話。実に30数年ぶりだ。
リアルタイムでも第1話から見ていた作品で、当時、家の近所にあった浦和の名店センターで「レインボーマンショー」を見に行ったほど愛着があるヒーローだった。だが、そのころ小学校に上がる前の自分に細かい内容の記憶などあるはずもなく、改めてみてみると、恐ろしくショッキングな内容であることを思い知らされた。
なにしろ、いきなり舞台は印パ戦争から始まるのである。70年代前半の当時、子供番組で、あまりにもマイナーではないか。しかもその戦争に、強くなるために修行しようとやってきた18歳の日本人青年が巻き込まれそうになるという、突拍子もない展開。さらに、その日本人青年・ヤマトタケシは、戦争難民の親子を助けようと、東パキスタン兵に撃たれてしまう。そこへ「奇蹟の人」ダイバ・ダッタがやってきて救いの手をさしのべるとともに、修行を開始するというところで「つづく」。
つまり、レインボーマンは出てこない。いや、正確にいうとダイバ・ダッダの妄想のしーんとして最後に出てくるが、主人公が変身するというところまで行かない。少なくとも、レインボーマンが悪人と対峙するというシーンは一切ない。昨今の、おもちゃ会社主導ともいえる特撮ヒーローものなどと比較すると、まさに奇跡ともいえる内容だ。
と同時に、現代には成立し得ない、麻薬のような怪しさといとおしさを漂わす作品であると改めて感じさせた。
ご存じの向きも多いと思うが、この作品、このあと放送禁止用語連発、問題表現続出の楽しい番組へと仕上がっていくわけだが、どんな発見が待っているか、実に楽しみである。
しかしこんな作品を、当時幼稚園児だった自分はよくも見ていたものだ。