小説吉田学校DVD化
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2006/08/25
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吉田茂役の森繁久弥を始め、鳩山一郎の芦田伸介、田中角栄の西郷輝彦など、まるで政治家のそっくりショー。それでもキャストは豪華絢爛。東宝映画には珍しく、若山富三郎、梅宮辰夫といった東映・任侠系の面々が出ていて、吉田茂の政敵として立ちはだかるという構図もおもしろい。
公開から20年以上経たいま改めて見て、時代の流れを強く感じた。登場する政治家のうち、現在議席を持っている人間は一人もいない。存命なのも、中曽根康弘、宮沢喜一、海部俊樹(劇中では学生)ぐらい。強いて挙げるなら、夏目雅子扮する麻生和子と砂浜で砂遊びをしている子役がいるのだが、役名こそないもののこの子供が麻生太郎・現外相と思われる点だろう。
演じている俳優も鬼籍にはいている人が目立つ。芦田伸介、高橋悦史(池田勇人)、若山富三郎、小池朝雄(浅沼稲次郎)、夏目雅子もまたしかり。監督の森谷司郎もすでにこの世の人ではない。
一方で、当時まだ無名だった橋爪功(福田赳夫)、小林稔侍(西村栄一)なども顔を出しているのも見落とせない点だ。
そして何とも驚いたのは、ダグラス・マッカーサーを演じていたのが「コンバット」でヘンリー少尉(納谷悟朗が声を当てていた)を演じていたリック・ジェイソンだったことである。
自民党総裁選を前に、いま、あえて押さえておきたい作品であるのは確かである。