ウルトラマンはAタイプが基本でしょ

http://youtube.com/watch?v=a_oVv6TxsDI 映画「ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟」を見た。公開間もない作品なので、極力ストーリー上のネタバレをしない範囲で書かせていただくが、まず結論を言うと、これほどわくわくし続けてみられた作品も最近ない、まさに「ウルトラ」で育った私たちの世代へのプレゼントだった。
 理想的に年輪を重ねたウルトラ兄弟が、20年前の地球での戦いを最後に人間の姿になって神戸で暮らしていた。ウルトラマン=ハヤタは神戸空港の責任者、ウルトラセブンモロボシ・ダンは牧場主、新マン(帰ってきたウルトラマン)=郷秀樹はレーシングチームのチーフ、ウルトラマンA=北斗星司はホテルの料理長という設定。とりわけ、郷秀樹と北斗星司の職業にはニヤリ。郷はMATに入る前はレーサー志望、北斗はTACに入隊する前はパン屋の兄ちゃんだったという、当時の作品をちゃんと覚えているものにとっては憎らしい演出である。おまけに郷のレーシングスーツの胸にはMATのエンブレムまで!
 ちなみにウルトラマンタロウの人間体、東光太郎は出てこない。これは大人の事情(もあるかもしれないが)というより、ウルトラマンタロウの最終回で、東がウルトラの母に変身バッジを返して去っていったというエピソードに沿ったもの(このためウルトラマンレオでの兄弟勢揃いの際も出てこない)と解釈するのがウルトラを愛するものの作法だろう。
 感動したのは変身したウルトラ兄弟の姿。初代ウルトラマンがなんとAタイプで登場!新マンやゾフィーとの違いを出す意味もあったのだろうが、どう見てもマニア向けの趣向である。しかもオープニングでいきなり板野サーカスやってます。
 次々に出てくる宇宙人にも抜かりはない。ザラブ星人ガッツ星人、ナックル星人と、オールドファンの脳裏に焼き付いている凶悪宇宙人が、これまた当時のエピソードのつぼを押さえた形でメビウスの前に立ちはだかる。
 これ以上書くとネタばらしの領域に入ってきそうなので控えるが、「ウルトラ」を知るすべての“おおきなおともだち”必見の内容であることは間違いない。それと、くれぐれも、エンドロールをお見逃しなく。早々にたつと損しますよ!