巨星落つ

 実相寺昭雄監督が逝った。今朝、アサヒ・コムの記事を見た瞬間、わが目を疑った。
 日本随一のカルト監督にして、特撮ファンの記憶からこびりついて離れないマニアックな作品をあまた世に送り出した、“異端の巨匠”である。
 個人的に最も印象に残っている実相寺作品というと、ウルトラセブン第8話「ねらわれた街」だ。ウルトラセブンモロボシ・ダンメトロン星人が下町のぼろアパートのひと間でちゃぶ台を囲んで話し合うという、それまでの怪獣モノではとても考えられないミスマッチな場面。そして隣の部屋はメトロン星人の宇宙船という設定。今の戦隊モノあたりではギャグのたぐいで終わってしまう設定だが、当時(といっても私が見たのは数年後の再放送だが)初めてこうした奇抜な映像を目の当たりにしたときは、笑うどころかショックだった。
 突然の訃報に、混乱して何を書くべきか整理できていないが、まずは巨匠の冥福を祈らずにはいられない。

 しかし今年は、思い入れの深い人々が次々に去っていく。