メビウス、神懸かり展開へ

 放送も残り2カ月となった「ウルトラマンメビウス」だが、ここにきてまさに神懸かりの様相を呈してきている。
 先週はウルトラマン80が登場し、「80」放送当時の「忘れ物」ともいうべき、80=矢的猛の中学教師という設定が途中でフェードアウトしてしまったという、いわば制作側の都合の矛盾点を、物の見事に解消する感動作に仕上げていた。
 そして今週は、番組開始当初から物議を醸し出していたGUYSジャパン隊長・サコミズの正体がついに明らかに。その鍵を握る人物として威風堂々の姿を現したのがタケナカ最高総議長、そう、ウルトラ警備隊のタケナカ参謀その人である。そのタケナカを演じるのはもちろん、佐原健二である。佐原氏といえば、1年前の「ウルトラマンマックス」でウルトラQネタをやったとき以来の登場。万城目淳として出てきたにとどまらず、今度はタケナカ参謀とは・・・。この番組のスタッフのこだわり方というか、センスの見事さというか、憎々しいというか・・・。
 そして、タケナカとサコミズ、二人の会話から出てきた真実。サコミズ隊長が、実はタケナカ参謀や科学特捜隊のムラマツ隊長と同年代の人間で、地球外で活動していたために地球に戻ってもウラシマ効果により過ごした時間に40年のずれが発生し、若いままでいるという(トップをねらえ?、いや円谷だから快獣ブースカか)。
 その二人が語り合っているさなか、暗躍する謎の黒装束の男(ウルトラマンレオのブラック指令?ウルトラマンAに出てきた栗虫太郎?)に呼び寄せられるように現れたのは、どくろ怪獣レッドキング。そしてメビウスに倒されたかに見えたレッドキングは、今度は古代怪獣ゴモラに変化。メビウスは苦戦を強いられながらも何とかこれを撃退する。
 これまでは主に「帰ってきたウルトラマン」以降の第2期ウルトラシリーズを中心に復刻怪獣が登場してきた「メビウス」だったが、今回は第1期シリーズのおいしいところと濃いところを一挙に取り上げた、昔からのファンにとっては涙腺ゆるみっぱなしの内容だった。噂によると今後、第2期ファンの心臓をわしづかみにするような展開が控えているようで、見る側も気合いを入れてまとうと思う。