これでいいのか、メビウス最終回

 未だ昭和を捨てきれない30歳児以上限定の「ウルトラマンメビウス」が、ついに最終回を迎えた。
 40年のウルトラシリーズの集大成として、これまでメフィラス星人やらムルチやらババルウ星人やらベロクロンやらヤプールやらと、各シリーズの重要エピソードをかみしめるような回が続いてきた。そして、最終3部作ではついにエンペラー星人という、ウルトラマンレオの放映終了後に幼年誌などで展開された、いわばウルトラシリーズの二次的エピソードを具現化してしまうという“奥の手”を持ってきた。
 突如地球に現れた漆黒の宇宙人、エンペラー星人(声:内海賢二)。かつてウルトラの父と五分に渡り合ったほどの力を持つ強敵中の強敵に、メビウスのあらゆる武器は通じず、ウルトラマンヒカリなど次々に現れる助っ人もことごとくはねのけられてしまう。それでもあきらめず星人に抗うGUYSの面々。そして隊員たちに届くエース、ジャック(帰ってきたウルトラマンのことね)、セブン、そしてウルトラマンの声。その声に奮起し、全隊員による合体変身という掟破りもへったくれもない暴挙に出る。そしてGUYSの最終兵器を繰り出し星人に攻撃を加えるメビウス。さらにサコミズ隊長と一体となったゾフィーが登場し、ついに難敵を撃破する。

 そして、戦いを終えたミライ=メビウスは、地球を去っていくのだが、ここで素朴な疑問が生じた。
 「何でメビウスは地球を去ることになったの?」
 確かに、大仕事を終えたからというのはあるだろう。でも、地球にいとどまれない理由も特にない。過去、歴代のウルトラ兄弟は、体力の限界を超えたり(マン、セブン)、知られてはいけないはずの正体を明かせざるを得なくなったり(エースの場合)ウルトラの星に危機が迫っている(帰ってきたウルトラマンのケース、80もそうだったような)など、やむにやまれず、愛する地球を離れることになるというのが基本パターンだった。その点、メビウスにもそうした都合を設定してもよかったのではないか。日本オタク大賞まで獲得した、これほど完成度が高いと評価されるメビウスにしては、何か物足りなさを感じる最終回になってしまった感じがするのは、そのあたりに原因がある気がする。

 そんな不満の残る締め方ではあったが、まあ、全般的には楽しめたからよしとすべきか。とりあえずうまくまとめられた動画を見つけたのでご参照を。