ウルトラマン大博覧会(オタク推奨)

 六本木ヒルズで開催中の「ウルトラマン大博覧会」を見てきた。一見、子供目当ての円谷プロによる断末魔イベントかと思いつつ足を運んでみたのだが(それにしても六ヒルはわかりにくい!)、いやいやどうして、ウルトラで育ったわれわれ昭和40年代の子供たちのための、なかんずく「ウルトラシリーズはQからセブンまで」と断じてはばからないウルトラ原理主義者をメインターゲットにした、垂涎ものの展示内容だった。
 まず会場にはいると、ケムール人とカネゴンがお出迎え。さらに初期のウルトラ怪獣が勢揃いで連れてきた子供、いや連れてこられた子供の心をキャッチ。
 次のコーナーは、円谷英二御大をはじめ、円谷一金城哲夫実相寺昭雄などウルトラを作ったお歴々を紹介するパネル展示。高山良策のパネルの前では思わず敬礼!ただ、成田亨が除外されていたのはどういうことなのだろう?
さらに進んで、撮影当時実際に使用し現存する貴重な怪獣の着ぐるみの一部野狐道具類が並ぶ。この中で一番感激したのは、ウルトラQ 最終話(正確には再放送の最終話だが)「あけてくれ!」に登場する「幽霊列車」こと、小田急ロマンスカー3100系(NSE)の模型。放送されたのはもちろんモノクロ映像だが、この模型はまさしくカラーの、赤と白とグレーのロマンスカーである。ワイアール星人に握りつぶされたようなややみすぼらしい状態ではあるが、原形はかろうじてとどめている。大きさはHOゲージより一回り大きい感じ。これを見られただけでも、1300円の入場料を払った価値があるというものだ。
 そして次は「ウルトラマン」のコーナー。当時フジアキコこと桜井浩子が着用したと思われる科学特捜隊の制服やジェットビートルなどと並んで、まだウルトラマン命名される前の「レッドマン」とかかれた初期の台本や絵コンテなども置かれている。中央には科特隊日本支部の模型が鎮座している。さらに成田亨氏直筆の原画も数点あり。
 その隣は「ウルトラセブン」コーナー。セブンのがん首が5つ並んでお出迎え。ウルトラマンにはA,B,Cの3タイプあるのはオタクの常識だが、セブンにも微妙な違いがあったのには改めて気付かされた。そして、アンヌ隊員が着たと推測されるウルトラ警備隊の制服が((;´Д`)ハァハァ禁止!)。さらにウルトラホーク2号、3号、ポインターの模型(2号は撮影当時の実物)。何で1号がないんだ!ここでも中央にウルトラ警備隊の基地のジオラマが。山をくりぬいた設定のためもあり、科特隊のそれをはるかにしのぐディテールの細かさは見事。
 さらに、マン、セブン放送当時の少年雑誌に掲載された関連記事と、元祖オタクというべき大伴昌司氏のコレクション、さらにちょうど1年前に円谷御大に呼ばれてしまった実相寺昭雄監督の生前の仕事部屋を再現したコーナーなど、マニアをうならせる展示が続く。
 見学時間は約1時間30分、もう一度来ようと思わせる、予想以上に濃い、まさに大博覧会であった。