今度はウルトラQ同窓会

 時に平成のこどもたちをほったらかしにし、昭和のこどもたちの心をくすぐる「ウルトラマンマックス」。今週もまたやってくれた。
 冒頭、いつもと違う、でも遠い昔に見た気がするオープニングとともに、怪獣はなぜ現れるかをテーマにした討論番組から始まる。討論参加者は、レギュラーの桜井浩子扮するヨシナガ教授と、赤星昇一郎扮する評論家(こいつはどうでもいい)。それにSF作家佐橋健児、演じるはあの佐原健二。その番組を非番のカイト・ミズキ両隊員が喫茶店のテレビで見ている。その店のマスターを西条康彦が演じている。
 そう、佐原健二=万城目淳、桜井浩子=江戸川由利子、西条康彦=戸川一平、ウルトラQ三役そろい踏みである。
 討論番組の放送中、テレビ局に近い渋谷に怪獣ゲロンガ(ネロンガじゃねえのか)が出現。出動命令を受けた両隊員が店を出る間際、マスターが「あの怪獣、歯が一本折れてるでしょ。あれ、わたしが40年前に私がやったんです」と、気になる言葉を伝える。また討論中、佐橋も「わたしは以前あの怪獣を見た」と。
 そして話は1964年、特撮ドラマ「アンバランス」の撮影ロケ現場に飛ぶ。若き日の3人(役者はもちろん別)と監督(満田かずほ、本人役?)らがかたらう。「この番組、タイトルが変わるらしいよ。ウルトラQに」「これからは毎週怪獣が出てくるようになる」などと、トリビアなネタ(オタクには常識だが)や、その後の怪獣ブームを予感させるセリフがぽろぽろと。

 そして、撮影現場のトンネルの中でゲロンガに遭遇。本物の怪獣に驚きつつ、必死で立ち向かう3人の姿を撮影するも、怪獣の吐いた火の玉により映写機ごと灰に。一平が振り回した照明機材が怪獣の歯を砕き、怪獣がひるんだ隙にトンネルを脱出する。

 回想を終えた佐橋は、なぜ怪獣が現れるかについて熱論を展開、「怪獣は人間の想像が生み出し、されやがて想像の中で現実化していった」論理は破綻しているが妙に説得力のあるセリフだ。

 ダッシュの攻撃で渋谷から代々木公園に誘い出された怪獣の前にウルトラマンマックスが登場。途中苦戦するも、喫茶店のマスター=一平がいった言葉を思い出し残っていた片方の歯を折って弱らせ、42年前のロケ現場だった奥多摩山中に運び無事解決。

 ラスト、平穏を取り戻した代々木公園に3人が集う。見上げた空に架かる虹とともに、懐かしい自体で「終」。ウルトラQ独特の世界観と、イマドキの特撮ヒーローものの感覚が見事に融合された作品だった。

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