ショッカーはなぜ「イー!」と叫んでいるのか

 昨日、仮面ライダーなど東映特撮・ヒーロー番組をものすごく数多く手がけた巨匠・平山亨御大のトークライブを新宿・ロフトプラスワンに見に行った。聞き手は、読売新聞政治部記者にして特撮オタクの女王・鈴木美潮サマと、我が心の師・唐沢俊一先生という、実に実に濃い顔ぶれ。
 冒頭、亡くなったばかりの曽我町子さんの話から入ろうとするも、平山御大早くも脱線気味。曽我さんをはじめ、地獄大使潮健児死神博士天本英世、プロフェッサーギルの安藤光男といった名悪役の生き様や、仮面の忍者赤影超人バロム1に出演していた東映の大部屋俳優に関する裏話など次から次へと吹き出してきた。
 中でも圧巻だったのは、ショッカーの戦闘員はなぜ「イー」といっていたのかという話。音響担当の人と請求さんが打ち合わせをしながらいろいろなセリフを試したという。当初は、ショッカーがナチスのような組織という設定から「ハイルショッカー」などと言ってみたもののどうもしっくりこない。いろいろ考えて煮詰まっていたあげく、声優さんの方から「もうどうでもいい」という気持ちから「イー!」と叫んだところ、それで行こうという声が上がって決まったそうだ。
 つまりショッカーの戦闘員の「イー!」は「どうでいい」の「イー!」だったという、何とも意外というか、いい加減というか、たわいもないものだったわけだ。

 それにしても名悪役が次から次へと消えていくのは寂しい限りだ。